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きっとその姿は、他人にはかなりヒステリックなものに見えたことだろう…。 そしてこのころから私は何となく、そんな自分の顔の老化を「完全なる欠陥」とになっていくのだ。
はたして、老化にともなうシワやたるみ、肌の黄ばみなどは、欠陥や病状なのだろうか。 私が読んだ、ある美容外科医が書いた本では、そんなことが議論されていた。
そもそも(私が言うのもおこがましいかもしれないが)、若返り療法なんてほんとうに必要なものなのだろうか。 シワやたるみができたからといって別に死ぬわけではない。
しかし、それを自然なこととせず、「欠陥や病状を治すべきもの」「以前の姿に修復すべきもの」とするのは、手術をほどこす医者側の都合のいい言葉じゃないかと思う。 〃お客さま〃をつくるための殺し文句にすぎないのではないだろうか。
しかし、若返りにのめり込んだころの私の受け止め方は、そうではなかった。 このシワもたるみもみんな、老化という病気による症状なのだ。

ほうっておいたらもっとひどくなる。 治さなければいけない。
それもなるべく早く。 「病気?自然現象でしょ?そりゃあ、シミやシワってイヤだけど、仕方ないじゃない」同い年の友人はそう語った。
仕方ない。 冷静に考えればそうだ。
ある年齢をすぎて顔にまったくシミもシワもない顔なんて、何だかプラスチックの香りでもしてきそうで不自然極まりない。 しかし当時の私は、肌のたるみやシワを仕方ないこととして受け止められなかった。
たまたまある女性誌で、ひとりの女性の二〇代から六〇代までの顔の老化の推移をあらわす合成写真を見た。 また、ある展示会で、やはりひとりの女性の顔が三〇代から七〇代まで変化していく様子をCG合成でつくったものを見た。
両方とも、見たときの衝撃はかなりのものだ。 三〇代。
シミが出はじめる。 笑ったときにシワが出る。
でもまだ、若々しさを残した顔。 四〇代。
笑っていないときにもシワが固定する。 たるみも目立つようになり、徐々にオバサン。

五〇代。 大ジワができる。
完壁なオバサン顔に。 フサフサと豊かだった黒髪は、徐々に薄い白髪となっていく……。
こんなもの見たくない!といいつつも、その写真からどうしても目が離せない。 すでに三〇歳を超えていた私にとっては、老化は目の前にある恐怖でもあったが、いま何と女性にとって、美と若さは必要不可欠なものではないのか。

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